大学を卒業してから、仏教講師の道に進みました。

講師になって、もう２５年経ちます。

私が生まれたのは広島県の片田舎です。

自営業を営む両親の元何不自由のない生活でしたが、

狭い田舎生活が窮屈で、芸能界に憧れるようになりました。

当時地方出身の新人歌手が一躍トップスターになる姿に自分を重ね合わせ、

多くのオーディションも受けました。

ところが高校入学式の前日、その歌手が自殺してしまったのです。

私の部屋には、その歌手の大判ポスターが貼ってありました。

いつもはまぶしく映る彼女の笑顔も、日常の生活も、死を前にすれば、

すべて色あせ、何の意味も感じなくなる。

本当に命かけて悔いないものって何だろう、と深く考え込むようになっていきました。

とにかく東京に出て、広い世界で生きる意味を探そう！

その思いで入った大学で、仏教との出会いがあったのです。

４年間重ねてお話を聞くうち、これは皆に伝えたいという気持ちになり、

大学卒業後は仏教講師の道に進み、現在に至ります。

人生に意味を感じられない人、自分の存在意味もわからないまま

ただ時間を過ごしている人達に、生きる意味を伝えたいと思っています。

東日本大震災後、縁あって仮設住宅の中で親鸞聖人の映画上映をして

まわって以来、東北にはとても深い因縁を感じています。

東北中の皆さんに仏教の教えをお伝えしたい、というのが、私の目標です。