皆さんは、突然友達からプレゼントをもらったら、どう思うでしょうか?
「嬉しいけど、どうして僕にプレゼントをくれるのかな?」と、理由を求めるでしょう。そして、「まえに勉強を教えてくれたお礼だよ。有り難う」と言われたら、心から喜ぶことができますよね。
自分が受けた結果に対して、その理由が分からないのは気持ちの悪いものです。
差出人の書かれていない自分宛の封書が自宅のポストに入っていたらどうでしょうか?気味が悪くて開けたくないですよね。
しかし勇気を出して開けてみると、親戚のおじさんからの大学合格祝いの手紙で、おっちょこちょいなおじさんが封書の裏面を書き忘れただけだったと知ったらどうでしょうか。理由がわかって、喜びとおじさんの優しい顔も思い浮かんで、一気に笑顔になりますね。
理由がわからないと落ち着きませんが、理由がわかるとスッキリします。
人間の迷い
しかし、切実に求めても、どれだけ考えても分からない理由もあります。
「どうして自分は、この両親の元に生まれたのだろうか … ?」
「どうして自分は、日本に生まれたのだろうか … ?」
「どうして自分は、このような容姿で生まれたのか … ?」
「どうして自分は、このような病にかかってしまったのか … ?」
幸せな問いならば良いですが、現状に不満を抱えておられる場合、不満が大きいほどその回答も切実に求められます。
それゆえに、苦しみや将来に対する不安から、道理に合わない教えがはびこるのです。
「その運命は天地創造の主が与えたものであり試練だ」と言うもの。
「先祖の霊があなたを苦しめている」と脅すもの。
「狐や狸が憑いている。祓うべきだ」と勧めるもの。
「印相が悪いから替えるべきだ」と購入を勧めるもの。
この日本だけでも現在20万以上の宗教があるそうですので、この世の道理に則った真実が切実に求められていると言って間違いありません。
自業自得
今から2600年以上前に解き明かされた仏教には、私たちの運命は、私たちの行為によって生み出されるのだと教えられています。これを自業自得と言います。
「自業」とは、自らの業(行為)のことで、「自得」とは、自らの得(禍福)つまり自分の運命のことです。ですから、自業自得とは、自らの行為によって自らの運命を引き起こすと説かれているのです。
ですから、天地創造の主である神のようなものがいて私たちの運命を作り出したのでもなければ、先祖の祟りで苦しむのでもない、もちろん狐や狸が憑くこともなく、印鑑や手相の良し悪しで運命が好転するのでもないのですよ、と説かれています。
自業自得と聞きますと、「苦しい運命を受けねばならない結果は自分自身にある」という面ばかりが強調されがちですが、
「一生懸命勉強して、念願の第一志望校に合格した!」
「ダイエットの甲斐あって、5キロ減量に成功!」
こういうものも自業自得ですから、「自身の行いによって運命(結果)を得る」ことの真理を教えられたものなのです。
運命は変えられる
私たちの運命はこれからの行いによって変えることができます。
もちろん、変えることのできないものはあります。生まれ持った体型、体質や、長い年月をかけて作られた性格、趣向など、なかなか変えることの難しいものもありますよね。また、先天性の病、容姿など変えることは難しいと言えましょう。
しかし、私たちが求めているのは幸せですから、それらのものを変えることはできなくともこれからの行動を変えていけば、上昇気流に乗るように幸せになることはできるのです。
そのためにどのような行いが教え勧められているのか、またどのような行いを戒められているのか、仏教には詳しく教えられています。今後解説していきますので、ぜひご覧ください。
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